Tableau Conference 2016 at Austin [レポート]キーノートセッション”Tableau Vision” #data16
はじめに
こんにちは、yokatsukiです。今、昨年のTableau Conference 2015のキーノートセッションで宣言されたテキサス州オースティンに来ています。
あれから1年、どのように製品が進化したのかを見ることができました。それでは早速発表された内容をお伝えすることにします。
セッション概要
タイトル
Keynote - Tableau Vision
説明
Tableau founder Christian Chabot and senior company leaders will share their vision for the next generation of data viz magic.
時刻
2016/11/8(Tue) 8:30-10:00
会場
Austin Convention Center(ACC) 1F - Expo Hall 2-4
URL
http://tc16.tableau.com/learn/sessions/8574
ハッシュタグ
#TableauVision
開場〜開演まで
私達は良い場所を取りたかったので、早めにホテルを出て、7:00には会場のACCに入りました。
今日だけは朝食が7:00から提供されているので、そこで腹ごしらえをして参加、と思ったら同じ考えの方がそれなりにいて、早朝にもかかわらずそれなりに賑わっていました。
ちなみにこれは朝食として提供されたタコスです。ベジタリアン向 けのものは、スイートポテトがベースになっていました。
さて、キーノートの会場は7:00過ぎの時点で既にオープンしていたのですが、12000人収容とのことで広い!また客入りの音がすごい!すっかり圧倒されてしまいました。
正面のスクリーンは、今回のイベントのハッシュタグ#TableauVisionや#data16でツイートしたものが随時ピックアップされて表示されるようになっていました。
また、会場の席には適当な間隔でフラグが配置されていて、自由に写真撮影したり持ち帰ることができるようになっていました。
オープニング
キーノートは、定刻通りに始まりました。
はじめに、何気ない日常生活の風景が流れましたが、その中でデータを生む/使う/分析するシーンが登場し、データは日常生活のどこにでも存在し、皆が使うことができる、欠かすことができないものであることを印象づけていました。
CEO Adam Selipsky
一通り動画が流れたところで、今年の8月に新CEOとしてやってきた、Adam Selipskyが登壇しました。
最初に、このTableau Conferenceがとても大きなイベントになったことを数字で紹介しました。
13000人の申し込み(去年は10000人)
オンライン参加者が10000人
初回登録の人が8946人
そして、Tableauによって、欲しいことがより早くできるようになったこと、医療、流通、テクノロジー、エネルギー、公共、金融、製造、教育等色々なものに影響を与えていることを、幾つかの事例で紹介しました。
そして締めくくりに、「今朝、沢山の新機能が出る、そのことを誇りに思う」としてスピーチは終了しました。
Co-Founder Christian Chabot
次に、創業者の一人であるChristian Chabotにスピーカーを交代しました。
最初に、Tableauの進化の歴史に触れ、これからTableauが目指すこと、具体的にどのような機能を加えていくかの概要紹介がありました。
(ここで一通り新機能の紹介があったのですが、この後それぞれに詳細なデモがあったので、そこにまとめることにします。)
本セッションでは「疑問を持つ人が、自分自身の手でデータを操り、解決できるようになること」を目的としている事が、言葉を変えて何度も繰り返し強調されていました。
最後に、これから
- Visual Analytics
- Data Engine
- Data Management
- Cloud
- Collaboration
の5つのテーマで、それぞれ新機能のデモを見せるとしてChristianのスピーチ終了となりました。
新機能デモ
ここからは、それぞれの事業担当者が交代で登場し、リレー形式で新機能のデモンストレーションが行われました。
まさに怒涛の新機能ラッシュで、機能が紹介される毎に、ツボに入った(その機能欲しかった!)という人達から驚きの声と拍手が巻き起こっていました。
Visual Analytics
ビジュアルアナリティクスのテーマとして、
- Ask better questions
- Think more deeply
- Solve bigger problems
を掲げ、その為の新機能を追加した、とのことでした。
Instant Analytics
Hover line
時系列グラフの任意のタイミングにおける情報が表示できるようになりました。
Selection Summaries
任意の幅を取って、それぞれの変化を表示できるようになりました。例えば四半期分の幅を取ってその間の変化を表示させます。 四半期の幅を保ったまま、別の期間に移動させることも可能です。
また、選択した範囲で更に集計したグラフを表示できるようになりました。
Cluster Summaries
現バージョンで提供されているクラスタリング機能の強化です。クラスタ毎に集計結果を小窓に表示できるようになりました。
Time & Space Analysis
Geographic Augmentation
マンハッタン周辺の地図に配置されたデータを、郵便番号の単位でから塗り分けに変更できるようになりました。
Map Layering
マップ上のポイント表示を同時に複数扱えるようになりました。
Align Time Series
異なる時系列のデータを同じグラフ上に表示できるようになりました。
Index Time Series
時系列の基準値を自由に変えることができるようになりました。
Natural Language Support
これは驚きの機能の一つでした。検索フォームに"show me houses near ballard"と言った書き方で検索ができるようになっています。
細かい調整はスライダで行いますが、"show me houses near ballard under 600k around last summer"など条件を変えて検索することも可能です。
デモでは他に、
- "show me the most expensive houses near south lake union"
- "what about the cheapest ones"
などで検索をしていました。
Data Engine
Hyper Data Engine
増加するデータ量に対応する為に、Tableauでは新たなデータ処理エンジン、"Hyper"を開発しました。これを使って以下の大量データをリアルタイムで処理するデモが行われました。
- 全403,467,762イベント
- 国ごとに色分け
- アメリカを条件
- 年ごと、月ごとにドリルダウン
- 2016,7月の特定イベント365,225を抽出
Analytic Performance
こちらも検索速度の速さを見るデモでした。
- 29,454箇所の天気局
- 2.9billionの天気情報行データ
- 国ごと、週ごとで軸を追加
- 件数と平均気温を求める
Fast Data Ingestion
データがどんどん追加される状態で、リアルタイムにTableauの統計にも反映させる、という機能でした。
Data Management
Discover the right data sources
Certified Contentという機能の紹介でした。これはTableau Serverのデータソースのページで、データソースの種類に加え、過去30日の参照数、利用しているワークブック等が表示されるというものです。データソースの利用状況が詳しく分かるようになっています。
Flexibility for Everyone
データソースが誰に認証されているか表示されるというもので、データモデルのレコメンドがつくようになっています。
Governance & Agile data models
これもなかなか凄い機能でした。 Tableau Serverのデータソースページに、データソースのフィールドの使用頻度が棒グラフ表示されるようになっていました。 また、使用してないフィールドを非表示にしたり、フィールドを使っているワークブックを表示したりといった検索が可能になっています。
更に驚きだったのが、フィールドをカスタマイズした人とワークブックと参照数を把握することができ、トドメにカスタマイズしたフィールドを正規のフィールドとしてデータソースにドラッグアンドドロップの追加をしてしまえました!
Data Preperation(Project MAESTRO)
この辺り、驚きの発表が続いているのですが、この製品も大きなリアクションが上がりました。
まだプロジェクトの段階ですが、一言で言うと「Tablau社がデータ準備とデータインテグレーションの新しい製品を作っている」ということです。
ここでは、以下のデモが行われました。
- 接続先ソースとテーブルを選択
- データの分布をビジュアル化
- 分布グラフをクリックすると、その条件で絞込ができる
- 複数カラムを選択してまとめて文字列編集
- 更にExcelを追加してジョイン
- ジョイン対象で間違っているものは赤表示なので修正
- 編集結果をTableauにパブリッシュ
これは先述のHyperエンジンを使用しており、非常に高速にデータ処理ができるというのが売りになるようです。登場は来年の予定とのことで、楽しみです!
Cloud
Connectivity
Tablauは今後様々な環境上で同じ動作ができる事を目指しているそうです。具体的には後述のCloud Desktopのようにデスクトップとモバイルが区別付かない機能を持つようになります。
Live Query Agent
分析サイトのデータがリアルタイムに、かつセキュアに変更できる事を表すデモとして、ブーツの部品表をリアルタイムに変更する、ということを行っていました。
Prebuild Dashboards
この機能もかなり大きな喜びの声が上がりました。
どのような機能かというと、SalesforceやMarketo等のSaaSからデータを取ってくる場合、あらかたサービスでデータソースの構造などが決まっているので、もうダッシュボードまでテンプレート化してしまいました、というものです。具体的には以下の手順でデモが行われました。
- Salesforceに接続
- 準備済みのテンプレートを表示、選択
- 自動的にテーブルをインポートしてダッシュボード表示
- テンプレートは、必要なデータを取得する為のデータソースのJOINの設定も含んでいる
- 更にEloquaも加えたとしても、きちんと対応する5つのダッシュボードが用意されているので、ユーザは好みのダッシュボードをを選択するだけ
この機能は、Salesforce, Marketo, Eloqua, quickbooksに対応するとのことです。ダッシュボード設計の手間が大幅に省けるメリットはかなり大きいと思いました。
Simplicity
Cloud Desktop
来年はiPadでもDesktopと同じドラッグ&ドロップ操作が行えるようになるとのことです。
Flexibility
Elasticity
Tableau Server運用の柔軟性が増すという話で、サーバへの負荷状況の予測分析機能が付くようになります。
以下のデモが行われました。
- Tableau Service Managerにログイン
- 使用率とキャパシティをグラフ表示
- ホリデーシーズンは接続ユーザが少ない事を確認
- Run Forecast
- キャパシティの予測表示
- 4ノードにするとどうなる?結果表示!
この機能でノード追加まで自動でできると嬉しいのですが、その辺りの真偽は確認できませんでした。
Linux
「もう一つデモがある」ということで、ちょうどアメリカで行われている大統領選挙のサイトが表示されました。
ここで、少しの間を置いて、
「これ、Linuxで動いています!」と画面を切り替えるとそこにはtopの画面が。
ここが本セッションで一番大きなリアクションが上がったところでした(笑)
Tableau Server on Linuxは、来年リリース予定とのことです。来年のいつかは明言がありませんでしたが、それでも楽しみにしておきましょう!
Collaboration
Leverage the work of others
Recommendations
特定のデータソースを使うと、他人が作ったワークブックデザインをレコメンドする、という機能です。先述のData Management系のところで紹介されたように、Tableau Serverはデータソースとワークブックの関連性を把握しているので、それを元にレコメンドするようです。
Discussions
Tablau Server上で開いた特定のワークブック上で、権限を持つユーザ同士が直接議論できる機能です。双方にワークブックのビジュアルを前にしながら議論できるのは面白いですね。
※画像が白飛びしてしまってちょっと見にくいです。画面の右側に人を表すアイコンが僅かに見えます。
Stay on top of your data anywhere
Alerting
特定のデータがしきい値を超えていることを通知するアラートの機能が追加されます。設定方法は特定データをクリックして、アラート設定するだけ、それがしきい値になります。非常に簡単そうです。 他には、通知方法(メール等)や宛先を設定すれば準備完了です。
Metrics
メトリックという機能ですが、これは、Tableau Serverに保存できる、特定のデータポイントを抽出したスナップショットのことだそうです。このメトリックを予め取得しておいて、iPhoneで確認するというデモがありました。
Safe and secure discovery
Team Sandbox
最後はサンドボックスです。個人の領域(サンドボックス)で作成したワークブックを特定メンバーで共有して、メンバーの利用状況を確認できるというデモでした。
まとめ
今回初めてTableau Serverのキーノートセッションを生で見たのですが、非常に見応えのある、ワクワク感にあふれた内容でした。隣の席に座っていた人がFで始まる放送禁止用語を連発指定たので、彼にとっても相当刺激的だったのでしょう。
リリースタイミングはまちまちになりそうですし、他にも新機能がこの日の夕方のDevs on Stageで発表されるようで、そちらも大変楽しみです。それでは、また。